日本から1万4千キロ。宇宙よりも遠い、彼方にも思えたその場所へ。

 

普通から抜け出したいと思いつつあと少しの勇気が出ない少女と、普通から抜け出しすぎて周りから理解も同意もされない孤高の少女。二つの歯車が出会う時、彼女たちの運命が動き出す――――


アニメ「宇宙よりも遠い場所」、観賞しました。いや~久しぶりにアニメどさっと見たな~。

一番最近見たのってなんだろ、バンドリ二期だけどあれはリアタイだったしガッツリ!ではないな、いやガッツリたのしんだんだけども。ほんとに久々に一気見をした、トムはとても気持ちがいい状態です。(2周目視聴中の人)

 

多少は自重するけどネタバレはほとんど気にしないつもりで書くのでアニメ見る前に感想見たら見る気失せる...って方は今すぐブラウザバックして第一話を見ましょう。話はそれからです。このアニメ見たよ~とか気になるんだよね~どんな感じ?ってなってるあなた、是非最後までお付き合いください。

 

まず、見始めて感じたこと。OP神。あとBGMも神。挿入歌も神だしタイミングも神。ついでにキャラクターのナレーション、神。

大まかな感想というかなんというか、綺麗なアニメっていう評価はなんとなくあったのでそういう風景とか音楽ってのには期待してたけど、めちゃくちゃよかったです。途中からキャラの表情と涙で朧気になる視界との闘いに精一杯で音楽とか風景とか全然頭に入ってこなかったんですけどね。笑

細かい描写とか挿入歌の盛り上がりに合わせてキャラクターを動かしたり、それはこのアニメに限った話ではないんだけどクリエイターって本当にすごいですよね。描きたいことだけ書いても尺も足りなければ本当に伝えたいことも伝わらないから、綿密な構成を立ててあーでもないこーでもないと頭を捻りながら最高の作品を目指す。そんな気概が全体を通してひしひしと伝わってきました。スタッフの熱意というか、すごく高いレベルにあるなぁと感じました。

それに起因するのか、初見で一通り見た感じ、作品の趣旨とか伝えたいことがいい意味でわかりやすかったです。伏線?とか隠喩、じゃないな、あれ?これってあそこの...?みたいなやつ、そういうのがすごくわかりやすかった。アニメ視聴における気付ける力が育ってたのか、こっちに要因があるのかもしれないけど、自分はそう感じました。もちろん注意深く見たり何回も見ることでまた違った発見が絶対あるんでしょうけどね。でもあんまりあーーーーそう来るか!!!!みたいなのがなかった気がして、頭の中でこんがらがることもなく、故にすごくテンポがいい印象が強かった。そのくせ意外と情報量というか、話の展開のたたみかけ具合も結構凄くて涙がまじで止まらなかったり。1話に何回もエモポイントがある話もありましたね。かといって急ぎ足になるわけじゃなくて余韻を持つところはちゃんとあるし、バランスが一切崩れなくて見ていて一瞬も飽きることがなかったです。

 

全体の感想はこんな感じで、次は少し細かいところに。

まず、登場人物たちの書き分けというか、それぞれの役割が、これもまたわかりやすいくらいハッキリしてましたね。少し臆病だったけど明るく時には大胆に、超がつくほど他人想いで周りに笑顔を分け与えられるキマリ。一度決めたことは誰が何と言おうが決して曲げない、けれど決して自己中心的にならず他人の気持ちも汲める報瀬(ポンコツ)。調和性を大事にしすぎるが故に自分を傷つけてきたが本当のやさしさに救われ、本来の明るさと賢さを十二分に発揮して周りをひっぱりバランスも取れる日向。最年少でありながらも落ちつきがありしっかりしていて、それでも自分に素直でいい意味で子供な側面も持ち合わせている結月。そして僕の推し、高橋めぐみ(かわいい)(あんまり出てこない)(神)。

みんな本当にキャラが立っていて、まあよくあることだけど、その中でみんなの共通点が”友達想い”なこと。他人想いかと言われると意外とそうでもないかもしれないのがミソ。自分の好きな人や物事に対して情熱とか愛情を持ったり注いだり尊敬してたりして。自分に害のある人間には目も向けずひたむきに好きと向き合う感じ、とてもよかったです。

グッと来たとこや涙が溢れて止まらないところは多すぎるのでここでは割愛して、個人的に印象的だった部分だけ紹介します。もちろん第5話の「Dear my friend」が一番気持ちが死んだし最終回の一番最後で軽く死にました。

それはまた話すとして、日向ちゃんの人間関係色々のシーンが凄く印象的でした。軽く紹介すると、信じた人に裏切られひどく傷つき、本当に信頼できるであろう友人に巡り合うもトラウマが邪魔して今一つ踏み込みきれず自分で気持ちを飲み込もうとしたところ、今度は信じてみたい人の方から手を差し伸べてくれたのがもうたまらなく心揺さぶられて。彼女が始めは気を遣うのも遣われるのも嫌だと言っていたのは、上辺だけじゃ気を遣うのは難しく、やはりある程度踏み込まないと気は遣えないもので、親しき中にも礼儀ありとはよく言ったもので親しくなるほど意図的だろうが無意識だろうが気は遣ってしまうもので。それを嫌っていたのかなって。しかしその言葉に隠された本心を見抜きズバっと切り込む報瀬ちゃん、よきですね~~~~~。

もちろん他にも名シーンや名言が山ほどあるので見てもらえば全部わかるけど、綺麗で素直な感情というのは得てして同様のものが返ってくるというのが作中随所から感じられたのがこの作品のイチオシポイントですね。そして何気に結構好きなシーンが南極から帰ってきて日向ちゃんがバイト先に着いたとこ。貼り紙と日向ちゃんが店長と会話している描写がもうたまらなくて。ここもさっき書いたことと同じことが起きてると思ってて、きっと店長と良好な関係築けてたんだなーって、バイト先はそれなりに心を許せてる環境で向こうもそれを良しと思ってたんだなーって。店長ありがとうの気持ちしかありえないシーンでした。

 

あ、あと、JKが南極だなんて舐めてる!こんなに軽い気持ちで云々...みたいな評価を目にした覚えがあるのですが、いやいやそこはアニメだしね~って思ってたところもあったんですが、正直そんなこと気にならないくらい「重い」場面っていうか設定というか、ありました。

報瀬ちゃんの母親ですね。楽しく愉快に、時には友達を想って涙したりする話の中で、南極の厳しさというか、そういう側面の役割を物語終盤までずっと担っていたと感じました。あくまでメインは4人の少女の物語、しかし丁寧に、南極隊員たちの葛藤や覚悟、南極に懸ける「想い」も描かれていたと思います。

そして、タイトルにもなってる宇宙(そら)よりも遠い場所、これはもちろん南極のことを指しているんだろうけど、隠れテーマ的なやつで報瀬ママのことでもあるのかと。もちろん報瀬ちゃんが南極に行く当初の理由が母親に会うためみたいな感じなんでそりゃそうだろって感じもしますけどね。

ほら、天国に行くことを空に還るとか言うじゃないですか。なので天国に行けばお母さんに会えるかもしれない。でも実際は会えない。さらに、残された報瀬ちゃんは空へ行くよりもつらいこと、悲しいこと、嫌なことを歩んでいかなければならない。生きていかねばならない。そしてそれらを乗り越えた先に、実はお母さんはいたんです。いないという事実に向き合わされつつも、やっと会えたんです。なんか矛盾してるんですけどね。更には空へ行ってお母さんに会うことと同じくらい、いやきっとそれ以上の友情とか思い出とか、人生の宝物を彼女は手にしました。それで”うちゅう”ではなく”そら”って読み方にしたのかなーとか思ったり。

もちろん宇宙の定義である「高度100kmから上」(Wikipedia調べ)よりも遠いっていう物理的な距離のことも示してるんでしょうけどね。これを受けて僕は玉木マリちゃんだけじゃなく小淵沢報瀬ちゃんも主人公の物語としたわけです。もちろん日向ちゃんと、結月ちゃん、なによりめぐっちゃんも外せないのは言うまでもないですね。

 

と、いうわけでぶっちゃけ感想の2割も言えてないしまとめ方も微妙ではあるんですが、こんなもんで。ここまで読んでくださってありがとうございました。少しでも気になった方は”よりもい”、観賞してみてはいかかでしょうか。個人的には話の内容とか物語の進み方、描写とかすごく綺麗でまとまりもよかった割に飽きない展開が多かったりしてまだ5話!?体感時間は3話だけどもう10話は見た気分って感じになったのでなんかもうすごかったです!1クールだし実際の時間もそんなにかからないしね。

そしてもう見終わってるよーって方、是非観賞会なり感想会なりしましょう。対戦お願いします。

 

 

また旅に出よう。この4人で!